匠の技
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製管一筋に尺八の音量、音色の可能性を
追求してきた容山工房(yozan
workshop)。
このページでは、40年以上にわたり培ってきた「匠の技」をご紹介いたします。
良い竹材だけを見極める能力
尺八の自然の竹薮がなくなりつつある昨今、竹材はとても貴重です。
冬の寒い期間、竹の成長休刊期に掘り出した竹材を見極める力が値打ちのある尺八作りの第一歩です。
容山工房(yozan
workshop)では素材選びに一切妥協せず、主に九州産の天然竹材の中でも優れた竹材だけを厳選しています。
更にこれらの竹材を倉庫で最低3~5年自然乾燥させると、割れるものは割れ、縮むものは縮みを経て、飴色の風格溢れる色艶に変化します。この品質の良い竹材だけを容山尺八工房(yozan
workshop)では使用します。
中継ぎにゆるみを生まない工夫
尺八の上管と下管をつなぐ役割を果たす「ホゾ」。
ここの寸法が小さいと中継ぎにゆるみが生まれ、微妙な息漏れにつながってしまいます。
とはいえ、きつすぎると上管の割れが生じる原因にもなりかねません。
容山工房(yozan
workshop)では長年の経験から、ホゾ材に良質の竹やかし材・黒檀を使用しております。
これにより折れ、伸縮によるゆるみ、ホゾ内側の細かい割れ、プラスチックや不良の竹のホゾ材が持つデメリットを解消しています。
また、ホゾ材には真円のとれているロクロ引き、肉厚、太さが必要になるため、特別に採集したものを数年乾燥させてから使うことで、品質を向上させています。
内径を微調整して
音色を調整できる技術
内径の調整は、製管師の最も重要な技術です。
容山工房(yozan
workshop)では、この工程に携わりながら研磨研究、独自に開発した「ヤスリ棒」と「ゲージ」を使用しています。
これらの道具を用いて竹材の内径を探り、削り出しや肉付けを繰り返すことで内径を調整し、最適な状態に仕上げていきます。
これらは、プロにしかできない繊細な作業です。
当工房では日々腕に磨きをかけるとともに、あらゆる尺八の内径について研究し、お客様の好みに合った逸品を生み出せるよう心掛けています。
真竹材の選別(Bamboo sorting)
冬に竹藪に入り尺八材としての条件、太さ丸味、節間、硬さ、色つやに譜などを吟味しながら掘り出した素材を、製管師の眼から選別し毎年倉庫に備蓄しています。
矯める(Straightening)
竹(1尺3寸~2尺3寸(1.3sun –
2.3sun))を倉庫の中から探し出し、全体に3か所矯めるポイントを火であぶり万力で竹材本来のゆがみを矯正します。
矯めに耐えられずはじけたり、凹んだりした竹は処分するため、この過酷な過程をクリアした竹材のみを使用します。
開き(Adjusting preparation length)
株根を整える鋸ヤスリを使いバランスを見ながら作業します。
山から切り出した時にはこの株の根っこにしっかりと土壌を抱えこみ大きさも重さも3倍以上になっている。根と根の間の土を取り除き成形します。その後、油抜きの過程を経て天日干し倉庫で5~6年保存します。
開く(Length adjustment)
ここでのポイントは中継の位置の割り出しです。
管尻~唄口までの長さ手孔の位置中継ぎの墨付けを行います。
ホゾの切りだしと補強、いよいよホゾ入れ上下真円のとれたロクロ挽きはのち中継ぎにガタガタ息漏れを生じないように上管下管を繋ぐ重要なホゾ、この摺合せは匠の技です。
開き ホゾ作り(Joint making)
ホゾ竹の寸法にあわせてホゾ切りをします。
ここでは真円のとれた引き締まったホゾ竹を使用します。
下管(凸)と上管(凹)それぞれ擦り合わせながら、ガタガタせずに緩まずに抜き差しできるしっかりした中継ぎに仕上げます。
唄口(Mouthpiece)
唄口つくりには都古流の月型と琴古流の山型があります。
材は象牙(白)と水牛(黒)それぞれに24金(24K)の金冠を入れることもあります。
工房によって顎あたりの角度も異なることがありますが、容山工房は音のメリハリを自由に表現できる角度にこだわっています。
地付け(ZIARI)
中継ぎ(Joint)、唄口(Mouthpiece)、手孔(Hole)と作りあげる内径創りの工程です。
まずは節抜き 管尻中継ぎ唄口から棒ヤスリを使い均等に内径を整えていき、漆と砥の粉水と混ぜ合わせ竹棒の先に地を載せ内径に貼りつけていきます。
調律(Tuning)
ゲージとヤスリを持つ手先の感覚にすべてを集中し、吹いては削り、削っては地付けまた吹くを正常な音色が鳴るまで繰り返し調整します。
調律過程後、管内の漆ぬり、琴古は黒漆、都山は赤漆に。棒の先に人毛製の歯ブラシの様な筆で仕上げます。
中継ぎ三線(Joint Silver SANSEN)
中継ぎ三線は、銅版と銀線または金線(20K)を繋ぎ合わせて作業し、銅板も金銀もカナ棒を使い尺八の丸みに合うようたたき出しロウ付けをします。
上下管にはめ込んで接着剤で固定し、合い口を整えヤスリで三線に削りだし、ペーパー磨き粉でさらに磨きこみ金銀らしい艶をだします。
その後、漆地で籐巻きの土台を作り、籐巻きしたら中継ぎの完成です。
(銀製の石目打ち仕上げの場合もございます。)
化粧 艶出し(Bamboo roots glazing)
下管の抱き節から磨きをかけて漆でから拭きし、羊皮で磨き独特の株の艶を出します。
そのほかの部分はうずくりをかけると竹膚が垢抜け艶が増します。