尺⼋を知る
- HOME
- 尺⼋を知る
竹藪林に生えている一本の竹から一本の尺八を製作します。
尺八の独創性豊かな音域は、日本国内に留まらず世界中に愛されています。
尺八には大きく分けて琴古流「唄口山型」と都山流「唄口三日月型」という2つの流派があります。
琴古は“古典的で個性的”、都山は“斬新に洋楽的”の部分があり、どちらも違う音色で和楽器尺八の魅力を発揮しています。
尺八を“作る”と“吹く”は同じなので、私たちは流派に縛られず、製造工程や音色研究に様々な分野を演奏をしながら尺八作りに励んでいます。
作りたての尺八
深みが増した尺八
プラスチックや木製、金属の尺八もありますが、古来から伝わる伝統が受け継がれた尺八は竹で作られており、音の響きや見た目を良くするために竹の根っこ部分を使うため、一本の竹から一本の尺八しか作ることが出来ません。
尺八製作には、日本では「真竹」と呼ばれる品種を使用しています。真竹の特徴として内部が厚く弾力性があり、曲げや圧力に対する抵抗性が強いため、尺八以外にも弓、扇子、茶道具などにも使われています。真竹の寿命は約120年と長寿ですが、ある一定の年数が経過すると、脆く圧力に耐えることが難しくなるため、尺八に適した年数は個体差によりますが、10年前後と言われています。
そのため、当工房では尺八を作る際は、竹を掘る専門家が竹の成長休刊期である冬の寒い時期に山へ入り、10年前後でかつ上質な尺八に適した竹材を厳選いたします。
また、掘りたての竹をそのまま使うと竹の中にある油分や水分の影響により完成後反ったり変形したりするため、堀った後は5年間という時間を掛けて乾燥させて、竹の状態が安定してから制作に取り掛かります。
楽器になった後も竹には命が宿っています。竹で作られた尺八は使えば使うほど手になじみ、深みが増し、見た目も飴色へと段々移ろいでいきます。
他の素材では味わえない竹ならではの音色や見た目の深みの変化などを耳や目でお楽しみいただけます。
尺八選びで大事なことは、実際手に取って自分と相性が良い尺八を音を奏でながら選ぶことです。
尺八は、下顎に当てながら首の動きと合わせて唄口に息を吹き込むことで音を出します。
人によって顎の形は違いますし、自然素材ならではの違いも千差万別なので、何よりも実際に吹いてみることが大事です。
実際に吹いた際に、その違いのアドバイスを受けることも選び方のポイントの1つです。
また、尺八は天然の竹を使用しているため、使用するほど手になじみ、見た目や音色に深みや個性がでてきます。
名器に近い尺八と巡り合うことは可能ですが、本当の意味で自分に合う名器は、縁あって手にした尺八を汗と修練によって磨くことでようやく手にすることができます。
他にはないその人だけの名器だからこそ味わい深い独自の名演奏が生まれます。
「自分自身の技術と共に、尺八自体も育てる。」これも尺八の魅力の1つです。
中継ぎの抜き差しができず、六節で節が一つ足りない尺八がおすすめです。
安価なプラスチック製の尺八もありますが、自然素材で製造された尺八と比べると、使用感覚や音色が異なるため、竹で作られた調律ができている5万円~の尺八がおすすめです。
容山銘尺八では初心者の方でも比較的手軽に始められるように、音以外のコストを省いた竹素材の稽古用尺八を販売しています。
音にはこだわりを持ってお作りしておりますので、まずはこちらから始めてみてください。
動画にて稽古用尺八で「もののけ姫」を演奏しています。
お客様からのご質問や、尺八の豆知識など
尺八についての様々な情報を発信しております。
2024.08.17
最近の中継ぎ仕様から
中継ぎ仕様として銀三線藤巻が標準ですが時には銀三線の石目打ちもいたします。
最近は写真画像の左側のように金線と銀石目を組み合わせて中継ぎとしたこともやってみましたが
どうでしょうか?チョットおしゃれな気がいたします。
右側が銀三線石目打ちになります。
2022.03.30
琴古1尺8寸 都山1尺6寸 加工スス竹を使って
自然真竹材の中から素地の良い竹材を選別して独自の技術で
スス竹に加工しています。
琴古1尺8寸(右側)
太さは8号サイズで太身のがっちりした竹材です。
この尺八の音源はこちらでお聴きください。
パスワード:220322-c
2022.03.11
尺八の太さ8号と5号(唄口キャップ)
愛用者のご質問から
キャップの号数で尺八の太さの目安としています。
8号は太い竹で5号は細身の尺八となります。吹く人の好みで選択するようですが
顎辺りの感覚とスウィートポイントまでの距離に違いがあると思う。
太い竹8号サイズは顎からスウィートポイントまでの距離あるためにメリカリの音域が自由に幅広くできると思います。
細い竹5号サイズは音の立ち上がりが早い(吹く力量が小さく良い)繊細なきれいな音色を求めやすい。
太い竹8号サイズは豪快尺八本来の音色を求めやすい。ですがかなりの吹く力量が必要となります。
乾燥による弱点は全く同じです。
乾燥には十分にご注意ください。
演奏後にはつゆきりを通して表面をやさしく拭き取り必ずビニール袋に入れて口を閉じてください。
そうしますと年々、色つやが増して一品価値となります。
2020.10.23
自然のスス竹を使用して新地無しに挑戦
琴古流 1尺8寸 太さは8号
農家の屋根裏で百年以上の時間帯を過ごしてきたスス竹(真竹)を尺八楽器に製作してみました。
懸命にスス竹を探し出す熱意とセンスに感服、容山も懸命に仕上げました。
巻きは用心のため表面だけにし節間は自然のままに手穴と節間の美しさも幸運です。
重量は通常は420g前後だがこの尺八は366gと軽い。
今までの製作知識を捻繰りしながらスス竹を手にして暗中模索が続き、、、、
まずは曲がっている竹の修正は可能かどうか!慎重に もう少し、あと少し!冷や汗ものでした。
百年以上の竹肌はもろくこまかなひび割れが多く、この素材に現在のような作りは酷で厳しい!
極力、中を地無しに近づけ調律をしてみました。
株との相性も課題で竹材倉庫から探し出ししことができたのも重ねての幸運と思います。
こうして眺めるととても美しい❣❣
この尺八が吹き手の望みに応えることが出来、成長していけたら製管冥利だ‼
2020.07.22
尺八について
コロナウイルス‼感染拡大防止に努めながら製作に励んでいます。
尺八は竹藪林に生えている一本の竹から一本の尺八を製作します。
よく見ると「竹には外側に上下の節あります」この節間に手穴をあけていろいろな音を出すことができます。
短い1尺3寸(約40㎝)~長い2尺4寸(約75㎝)の13種類がありそれぞれに節が七つでバランスの良い型なります。このうち1尺8寸が基本になり「しゃくはち」と呼ばれます。短いと全体の音が高く(子供の音域)長いと低く(大人の音域)
独創性豊かな音域に日本国内に留まらず世界中に認められ拡大進行中!
一日一週間でも早く終息に向かうことを祈るばかりです❕